第1章
p1 13行目
「生物体が生存する物理的な微環境を記述しモデル化する」は、主として第2~6、8、10、11章で学び、「生物体と微環境との間のエネルギーと物質の交換に関する単純なモデルとエネルギーと物質のフラックスへの生物体の応答モデルを示す」は、主として第7、9、12~15章で学習する。
p2 2行目
「参考文献は網羅的ではないが、興味をもった学生が必要な文献を参照できることを意図して示した。」は、正しくは「参考文献のリストは当然ながら網羅することを目的で作られていないが、真剣な学生を文献まで導くはずである。」となる。
p3 1行目
「我々はフラックスに応答して感覚を得るが、我々はそれを周囲の濃度として判断する。」中の「濃度」は一般的な濃度(水蒸気濃度、塩分濃度など)だけでなく、熱濃度(=質量あたりの熱量≒温度)なども含まれている。
p3 5行目
金属のコンダクタンスが高いので金属のほうが冷たく感じるという現象を式1.1に当てはめてみると、Csが手の温度、Caが金属の温度、gはコンダクタンス(熱の伝わりやすさ)、フラックスは手が熱を失う速度となる。
CsとCaは金属でも木でも同じだが、gが金属>木なので金属の場合のフラックスが大きくなる。この時、ヒトは「フラックスが大きい」とは感じずに「温度(Ca)が低い」と感じてしまう。
詳しくは第12~13章で学ぶが、このような考え方が身につけば、「日向(ひなた)の気温は日陰の気温よりも高い」という発言の誤りや、「水温30 ℃以上の場合プールは使用中止」といったことの合理性を正しく説明できるだろう。
CsとCaは金属でも木でも同じだが、gが金属>木なので金属の場合のフラックスが大きくなる。この時、ヒトは「フラックスが大きい」とは感じずに「温度(Ca)が低い」と感じてしまう。
詳しくは第12~13章で学ぶが、このような考え方が身につけば、「日向(ひなた)の気温は日陰の気温よりも高い」という発言の誤りや、「水温30 ℃以上の場合プールは使用中止」といったことの合理性を正しく説明できるだろう。
p3 1.1 微環境
本章のタイトルは原文では「Microenvironment」である。この語は、地域~地球スケールの環境に対して、動植物を取り巻く小さなスケールの環境という意味を持つ。
日本語では、「気候」と「気象」は明確に定義されており、気候とは、環境の一年を通した移り変わりのパターンのこと(例:地中海性気候など)、気象とは日々あるいは時々刻々と変化する環境状態のことである。
したがって、気候は基本的に地域ごとに大きく変化するものではなく、その変化は「気候変動」などといって問題視される。一方、気象は変化するのが当然なので、生物を取り巻く環境は日本語では通常は微環境ではなく微気象と呼ばれる。
英語には、気候に相当する「climate」と気象に相当する「weather」の語があるが、ここで「microclimate」の語を使っているところを見ると、日本語ほど厳格なルールはないのかもしれない。本書ではmicroclimateを微気候と訳しているが、一般には微気象と呼ばれていること(対象から数mmから数十mまでの気象)を指している。
なお、weatherを研究する学問はmeteorologyで、climateを研究する学問はclimatologyである。
日本語では、「気候」と「気象」は明確に定義されており、気候とは、環境の一年を通した移り変わりのパターンのこと(例:地中海性気候など)、気象とは日々あるいは時々刻々と変化する環境状態のことである。
したがって、気候は基本的に地域ごとに大きく変化するものではなく、その変化は「気候変動」などといって問題視される。一方、気象は変化するのが当然なので、生物を取り巻く環境は日本語では通常は微環境ではなく微気象と呼ばれる。
英語には、気候に相当する「climate」と気象に相当する「weather」の語があるが、ここで「microclimate」の語を使っているところを見ると、日本語ほど厳格なルールはないのかもしれない。本書ではmicroclimateを微気候と訳しているが、一般には微気象と呼ばれていること(対象から数mmから数十mまでの気象)を指している。
なお、weatherを研究する学問はmeteorologyで、climateを研究する学問はclimatologyである。
p3 下から10行目
「特別な測器が必要」とあるが、別に特殊な装置が必要というわけではなく、正しく測定するための精度の高い測器が必要、という意味。気温を測るのには家庭用温度計では不十分、ということ。
p4 1行目
段落最初の「生物環境物理学」は本書の書名と同じだが、原文では「biophysical ecology」(生物物理生態学)で、「environmental biophysics」ではない。著者もこの2つを大きく異なるものではないと考えている証左であろうか。
「力学的エネルギー」とは運動エネルギーのこと。
「力学的エネルギー」とは運動エネルギーのこと。
p4 1.2エネルギー交換
本項では、本書の主題の一つであるエネルギー輸送の4形態である「伝導」、「対流」、「放射交換」、「相変化」が簡潔にまとめられている。
下から9行目の「ストーブから受け取る熱のほとんどは放射によるものであり」のストーブはサンタクロースが降りてくるようなもので、熱のほとんどは煙と一緒に煙突に逃げてしまい、炎からの放射熱だけが室内に入ってくることを指していると思われる。
下から9行目の「ストーブから受け取る熱のほとんどは放射によるものであり」のストーブはサンタクロースが降りてくるようなもので、熱のほとんどは煙と一緒に煙突に逃げてしまい、炎からの放射熱だけが室内に入ってくることを指していると思われる。
p5 10行目
「当座預金の収支」と書いてあるが、多くの日本人にとって当座預金は縁のないものなのでピンと来ない人もいるだろう。アメリカでは銀行口座は普通預金口座と当座預金口座を持つのが一般的で(もちろん定期預金もある)、普通預金には利子が付き、当座預金には利子がつかない。ここで、エネルギー収支について考える時、利子のつく普通預金を用いてしまうとおかしなことになる。
p5 式1.2
本式は、式12.4、式14.1と本質的に同じで、重要なものである。ここでは考え方のみでいいのでしっかり理解しておいてほしい。
p6 16行目
「ミミズのような大型動物群」とあるがミミズは大型動物なのだろうか。この文は「土壌中の水膜にいる微生物からそれより大きなミミズや葉上のダニやバッタ、そして群落内に生息するさらに大きい動物までがこのシステムの構成要素となる。」と訳せる。
p6 3行目
「連続体」とは少々わかりにくいが、大気と土壌、葉と空気などのように一見すると質的に異なっているように見える場面に置いても水やエネルギーは全く途切れることなくスムーズに流れていく、ということ。
p10 1.8 単位
SI単位系では、現実の世の中の数字で表されるものすべて(長さ、速度、濃度、力、電流など一切)を「物理量」と呼び、それを「量」と略すことが多い。しかし、本書ではこの表現方法を採らず、「量」とは状態を表すもの(質量、熱量、長さ、体積など)の意味で用いるので注意すること。
「本書では国際単位系(SI)と一致する単位を使用する。」とあり、例外は、温度の℃と長さのcmのように記述されているが、例外は他にもある。時間では、秒、s、がSI単位であるが、日、時、分を使った計算やグラフは多い。その単位記号はそれぞれday、hr、minとなっている。また、SIでは、数値と単位記号の間と単位記号同士の間に空白(半角スペース、後者の場合は「・」、中黒、も可)を入れることになっているが、数値と単位記号の間に空白がない記述は非常に多い。第10章では、光の角度について学ぶが、その単位はSIのラジアン(rad)ではなく度(°)を使用している。
また、単位記号が割り算を含む時、分母の単位記号に2つ以上の単位記号がある場合は、誤解を防ぐために分母をかっこで囲むことが多いが(SIの規則ではない)本書ではそのような場合は、割り算(「/」を使う)をせず、負の累乗として掛け算で表現をしている(例:kg m-2 s-1)。
物質量の単位はモルで単位記号はmolである。しかし、物質量のことを「モル数」と呼ぶことが多い。これは、質量のことをグラム数、長さのことをメートル数と呼ぶのと同じで、本来は良くないが他に良い呼び方がないので一般的に使用されているのだろう。
SIは単位を定義するが、量を定義することはしない。物質量とは何かを知りたくてWikipediaを調べるとモルとは「0.012 キログラムの炭素12の中に存在する原子の数に等しい数の要素粒子を含む系の物質量。」とある。しかし、これでは、物質量とは何かはわからない。同じような説明が質量、光度、長さなど他の単位の定義にも見られる。そのようなことは、ア・プリオリ(a priori、そんなことは分かりきったことだから今更聞くんじゃない、という意味)なので、説明がない。長さとは何か、時間とは何か、と問われると困るのと同じ。上記Wikipediaの定義は「物理量とは何か」を定義しているのではなく、「1 molの物理量とはどのぐらいの量なのか」を定義している。
では、物質量とは一体何かというと「対象物を個数で表した量」のことである。つまり「何個あるか」ということ。ただし、一つ一つ数えると気が遠くなるぐらい数が多いので、アボガドロ数ごとにまとめたグループがいくつあるかにして、それにモル(mol)という単位を付けることにした、ということ。したがって、量であっても個数で数えられないものはモルで表せない(面積、質量、熱量など)。
そのように考えるとモルは簡単で、「酸素1 molは32 gである」と言われるとモルは質量の単位のように誤解するかもしれないが、「酸素分子1 mol(個)の質量は32 gである」と知っていれば混乱しないだろう。正確には「酸素分子1 molは32 gに相当する」と言うべきである。
光合成の研究分野で用いられる「光合成有効光量子フラックス密度(PPFD)」の単位はmol m-2 s-1であることから、正確には「光合成有効光量子数フラックス密度」であることがわかるだろう。料理の本も「材料:水10モル、塩0.2モル」と書いてもいいはずだが、そんな本は売れないだろう。
SI単位については、こちらや西條敏美「単位の成り立ち」(ISBN 978-4-7699-1099-2)の説明がわかりやすい。
「本書では国際単位系(SI)と一致する単位を使用する。」とあり、例外は、温度の℃と長さのcmのように記述されているが、例外は他にもある。時間では、秒、s、がSI単位であるが、日、時、分を使った計算やグラフは多い。その単位記号はそれぞれday、hr、minとなっている。また、SIでは、数値と単位記号の間と単位記号同士の間に空白(半角スペース、後者の場合は「・」、中黒、も可)を入れることになっているが、数値と単位記号の間に空白がない記述は非常に多い。第10章では、光の角度について学ぶが、その単位はSIのラジアン(rad)ではなく度(°)を使用している。
また、単位記号が割り算を含む時、分母の単位記号に2つ以上の単位記号がある場合は、誤解を防ぐために分母をかっこで囲むことが多いが(SIの規則ではない)本書ではそのような場合は、割り算(「/」を使う)をせず、負の累乗として掛け算で表現をしている(例:kg m-2 s-1)。
物質量の単位はモルで単位記号はmolである。しかし、物質量のことを「モル数」と呼ぶことが多い。これは、質量のことをグラム数、長さのことをメートル数と呼ぶのと同じで、本来は良くないが他に良い呼び方がないので一般的に使用されているのだろう。
SIは単位を定義するが、量を定義することはしない。物質量とは何かを知りたくてWikipediaを調べるとモルとは「0.012 キログラムの炭素12の中に存在する原子の数に等しい数の要素粒子を含む系の物質量。」とある。しかし、これでは、物質量とは何かはわからない。同じような説明が質量、光度、長さなど他の単位の定義にも見られる。そのようなことは、ア・プリオリ(a priori、そんなことは分かりきったことだから今更聞くんじゃない、という意味)なので、説明がない。長さとは何か、時間とは何か、と問われると困るのと同じ。上記Wikipediaの定義は「物理量とは何か」を定義しているのではなく、「1 molの物理量とはどのぐらいの量なのか」を定義している。
では、物質量とは一体何かというと「対象物を個数で表した量」のことである。つまり「何個あるか」ということ。ただし、一つ一つ数えると気が遠くなるぐらい数が多いので、アボガドロ数ごとにまとめたグループがいくつあるかにして、それにモル(mol)という単位を付けることにした、ということ。したがって、量であっても個数で数えられないものはモルで表せない(面積、質量、熱量など)。
そのように考えるとモルは簡単で、「酸素1 molは32 gである」と言われるとモルは質量の単位のように誤解するかもしれないが、「酸素分子1 mol(個)の質量は32 gである」と知っていれば混乱しないだろう。正確には「酸素分子1 molは32 gに相当する」と言うべきである。
光合成の研究分野で用いられる「光合成有効光量子フラックス密度(PPFD)」の単位はmol m-2 s-1であることから、正確には「光合成有効光量子数フラックス密度」であることがわかるだろう。料理の本も「材料:水10モル、塩0.2モル」と書いてもいいはずだが、そんな本は売れないだろう。
SI単位については、こちらや西條敏美「単位の成り立ち」(ISBN 978-4-7699-1099-2)の説明がわかりやすい。
p10 下から13行目
「℃=K-273.16」は誤りで、正しくは「℃=K-273.15」である。本書中に何箇所も同じ修正が必要。
p10 下から10行目
「比熱に対する単位はJ kg-1 ℃-1、あるいはJ kg-1 K-1のどちらかである。」とあるが、本書ではJ mol-1 ℃-1やJ mol-1 K-1を用いている。
また、正しくは単位とは「メートル」や「秒」であり、「m」や「s」は単位記号である。しかし、多くの場所で(ここでも)この2つは混同して用いられる。
また、正しくは単位とは「メートル」や「秒」であり、「m」や「s」は単位記号である。しかし、多くの場所で(ここでも)この2つは混同して用いられる。
p10 下から8行目
表A.4に追加したら良いと思われるもののリスト。
移動速度(風速など) 1 km/h = 0.278 m/s
電力量 1 kW h = 3.60 MJ
体積 1 m3 = 1000 L
含有率 1 % = 0.01 kg/kg、mol/molなど
1 ppm = 1×10-6 kg/kg、mol/molなど
圧力 1 kPa = 7.50 mmHg
マトリックポテンシャル -1 kPa, -100 kPa, -1 MPa = pF 1, 3, 4
電気伝導度(導電率) 1 mmho/cm = 0.1 S/m
平面角 π rad = 180°
温度 ℃ = (5/9) (°F - 32)
力 1 N = 0.102 kg force
熱フラックス 1 W = 859.8 cal/h = 14.33 cal/min
上表中の%とppmの単位に注目してほしい。この場合、単位の分子と分母は同じものでなければならない。当然のように思うかもしれないが、10 g/Lを1 %、1 mg/Lを1 ppmだとみなす誤りは極めて多い。
mg/Lの単位は、あるもの○mgが1 Lの溶液に溶けているのを表現するのに使われるが、これは、○ ppmではない。たとえ水溶液で水1 Lが正確に1 kgだとしても、分母は1 kgの水ではなく、水溶液である。これによる誤差は、濃度が高くなると増大する。例えば、ショ糖は30 ℃で1 kgの水に2.1 kg以上も溶解する。この時、10 g/Lを1 %だとして表現すると100 %を超えてしまうことになる。
また、混ざり合う液体や気体において、体積百分率(0.01 m3/m3、%)や体積百万分率(10-6 m3/m3、ppm)は使えないことは、第3章のp40 11行目のコメントで説明しているとおりである。つまり、そのような気体や液体の場合、混合後の体積比は常に1.0となるためである。
こちらに便利なサイトがある。
移動速度(風速など) 1 km/h = 0.278 m/s
電力量 1 kW h = 3.60 MJ
体積 1 m3 = 1000 L
含有率 1 % = 0.01 kg/kg、mol/molなど
1 ppm = 1×10-6 kg/kg、mol/molなど
圧力 1 kPa = 7.50 mmHg
マトリックポテンシャル -1 kPa, -100 kPa, -1 MPa = pF 1, 3, 4
電気伝導度(導電率) 1 mmho/cm = 0.1 S/m
平面角 π rad = 180°
温度 ℃ = (5/9) (°F - 32)
力 1 N = 0.102 kg force
熱フラックス 1 W = 859.8 cal/h = 14.33 cal/min
上表中の%とppmの単位に注目してほしい。この場合、単位の分子と分母は同じものでなければならない。当然のように思うかもしれないが、10 g/Lを1 %、1 mg/Lを1 ppmだとみなす誤りは極めて多い。
mg/Lの単位は、あるもの○mgが1 Lの溶液に溶けているのを表現するのに使われるが、これは、○ ppmではない。たとえ水溶液で水1 Lが正確に1 kgだとしても、分母は1 kgの水ではなく、水溶液である。これによる誤差は、濃度が高くなると増大する。例えば、ショ糖は30 ℃で1 kgの水に2.1 kg以上も溶解する。この時、10 g/Lを1 %だとして表現すると100 %を超えてしまうことになる。
また、混ざり合う液体や気体において、体積百分率(0.01 m3/m3、%)や体積百万分率(10-6 m3/m3、ppm)は使えないことは、第3章のp40 11行目のコメントで説明しているとおりである。つまり、そのような気体や液体の場合、混合後の体積比は常に1.0となるためである。
こちらに便利なサイトがある。
p11 表 1.1
「量:濃度 SI基本単位:mol」の部分は誤り。
モルとは、物質量をその物質の分子や原子の数を分数の分子とし、アボガドロ数個( = 6.022140857×1023 個)を分母として表現した「量」の単位であり、濃度を表す単位ではない。物質量を用いて濃度を表現する場合は、mol/mol、mol/kg、mol/m3などが単位となる。
一部の化学研究分野では、mol/dm3をMと表現し、モル濃度あるいはモラーと呼称しているが、明らかにSI単位系のルールを逸脱している。
p 12 例題 1.2
「第2章において、・・・」とあるが、第8章の誤りであろう。
ここで、κ(ギリシャ文字のカッパ)を「土壌の熱拡散係数」としているが、同じκを第8章、p118では、「土壌の熱拡散率」と定義している。「熱拡散係数」の語はここでしか出て来ないのでこれは、熱拡散率のこと(用語統一のし忘れ)だと思われる。
「図2.7より土壌の典型的な熱拡散係数(率)は約0.4 mm2/sである」との記述がある。図の指定誤りであろうとは見当がつくが、そのかわりどこを見ればそのようなことがわかるのかは不明。想像するとp128 最下行の「湿潤状態で約0.4 mm2/s程度」から来ているようである。 「2π/P」のPは、他章と合わせてτ(タウ)と書くべきである(式8.7)。同じものに2つの記号は紛らわしい。
ここで、κ(ギリシャ文字のカッパ)を「土壌の熱拡散係数」としているが、同じκを第8章、p118では、「土壌の熱拡散率」と定義している。「熱拡散係数」の語はここでしか出て来ないのでこれは、熱拡散率のこと(用語統一のし忘れ)だと思われる。
「図2.7より土壌の典型的な熱拡散係数(率)は約0.4 mm2/sである」との記述がある。図の指定誤りであろうとは見当がつくが、そのかわりどこを見ればそのようなことがわかるのかは不明。想像するとp128 最下行の「湿潤状態で約0.4 mm2/s程度」から来ているようである。 「2π/P」のPは、他章と合わせてτ(タウ)と書くべきである(式8.7)。同じものに2つの記号は紛らわしい。
p13 8行目
「経験式の場合は演算子内の単位を残しておくと非常に便利である。」は、イメージが湧かない。
式1.3は式7.31と同じもので経験式の例であるが、√内の次元は時間、s、なので、√全体ではs1/2となる。その結果、定数7.4の単位がm2 s1/2 mol-1となっている。
「式1.3のような・・・特定している。」は「式1.3のような経験式を本書で用いる時は、パラメータ(この場合はuとd)はSI基本単位で表されているとし、その結果(この場合はrHa)の単位を指定する。」ということ。これにより式中の係数(この場合は7.4)の単位も決まる。
経験式というのは、因果関係が全て明らかになっていなくても、ある程度の相関を式で表現したものなので、その式を作成したときの次元を持つパラメータで計算する必要がある。
式1.3は式7.31と同じもので経験式の例であるが、√内の次元は時間、s、なので、√全体ではs1/2となる。その結果、定数7.4の単位がm2 s1/2 mol-1となっている。
「式1.3のような・・・特定している。」は「式1.3のような経験式を本書で用いる時は、パラメータ(この場合はuとd)はSI基本単位で表されているとし、その結果(この場合はrHa)の単位を指定する。」ということ。これにより式中の係数(この場合は7.4)の単位も決まる。
経験式というのは、因果関係が全て明らかになっていなくても、ある程度の相関を式で表現したものなので、その式を作成したときの次元を持つパラメータで計算する必要がある。
個数の単位
日本語には、個数(離散数、中間値を取らない数)を表す単位(個、回など)がある。例えば、種子の数は、日本語では1粒、植物の数は1株と単位付きで表現できる。SI単位であるモル(mol)は実質的に個数を表す単位であるが、あまりにも大きい。1億個は、0.000000000000000166 molに過ぎない。
例えば、1 日あたり発芽数を表現する時、日本語ならば、12 個/日などと表現できる。それが、10 日続けば、12 個/日×10 日=120 個、と単位を含めて明快に計算できる。
英語でも、そのものの名前を単位記号として無理やり使うことはできる。上の例なら、12 seeds/dayなどと言うことになるが、統一的な単位は使えない。そこで、多くの科学技術論文では個数の単位は省いて表記されている。例えば、5 回/日という頻度を表す場合、5 day-1 などのように表現される。しかし、不完全さを感じないだろうか。
国際的に、離散数の単位として「ko」が認められれば、1 000 000 個は1 Mkoなどと表現できていろいろな場面で便利に使えるだろう。しかし、日本人にとっては、なんでもかんでも「個」で表現する風潮を助長して困ったことになるかもしれない。「テーブル2個の上に箸4個と茶碗5個があります。」などという表現は見たくも聞きたくもない。
例えば、1 日あたり発芽数を表現する時、日本語ならば、12 個/日などと表現できる。それが、10 日続けば、12 個/日×10 日=120 個、と単位を含めて明快に計算できる。
英語でも、そのものの名前を単位記号として無理やり使うことはできる。上の例なら、12 seeds/dayなどと言うことになるが、統一的な単位は使えない。そこで、多くの科学技術論文では個数の単位は省いて表記されている。例えば、5 回/日という頻度を表す場合、5 day-1 などのように表現される。しかし、不完全さを感じないだろうか。
国際的に、離散数の単位として「ko」が認められれば、1 000 000 個は1 Mkoなどと表現できていろいろな場面で便利に使えるだろう。しかし、日本人にとっては、なんでもかんでも「個」で表現する風潮を助長して困ったことになるかもしれない。「テーブル2個の上に箸4個と茶碗5個があります。」などという表現は見たくも聞きたくもない。
章末問題の解答例
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