DM-HP
ヒートポンプ(HP)の温室への導入は、近年増加しましたが、複数台をまとめて制御するコントローラがないために、合理的な制御がしづらい状況が続いています。そこで、ヒートポンプと補助暖房機を組み合わせて制御可能なコントローラ、DM-HPを開発したので紹介します。以下が、主な仕様および制御の解説となります。 ----------- 仕様 ここから ----------- 制御概要 HP1または2系統+補助暖房機1系統の制御を行う。 HPが2系統の場合は、強/弱または強/中/弱の制御を行う。 HPは入力信号3点に対して、暖房/冷房/送風タイプ(イーズ、ネポン等)のものと運転/冷暖/送風タイプ(ダイキン等)のものに対応。混在も可能。 出力は1接点/系統なので1系統に複数台のHPを接続する場合は、別途リレー回路が必要。 制御周期は10分。 暖房制御 6つの時間帯の目標気温を設定する。時間帯と時間帯の間にある6つの遷移時間帯では、前後の時間帯の設定気温を直線的に結んで目標気温とする。夜冷制御中は暖房制御を停止する。 HPが1系統の場合は、目標気温に対してON/OFF制御を行う(不感帯あり)。HPが2系統の場合は、暖房負荷が増大するにつれ、弱→強あるいは弱→中→強と出力を上げながらON/OFF制御を行う。どちらの場合も、HPで室内気温を設定気温に維持できなくなったら、HPを連続運転として補助暖房機をON/OFF制御させて気温制御する。 平均気温制御(夜間平均気温または日平均気温)を選択した場合は、夜間の目標気温は自動的に生成され、設定した平均気温が実現するように制御が行われる。 夜間冷房制御 2つの連続した時間帯を設定し、それぞれに設定気温を設定する。その時間帯以外では制御を停止する。 気温制御の方法は暖房制御と同様に行う。ただし、補助暖房機は使用しない。 昼間冷房制御 1つの時間帯を設定し、その時間帯内では入力した気温を実現するように冷房制御を行う。ただし、停止気温(設定値)を上回ったら冷房制御を停止し、当日はリセットしない限り制御を再開しない。 気温制御の方法は、夜間冷房制御と同様に行う。 送風制御 手動にてON/OFFが可能。送風運転中は、冷暖房制御が停止する。 ユーザ・インタフェース 設定および監視は小型(40mm×80mm)タッチパネルで行う。 現在状況画面では、現在気温、設定値、当日昼夜と前日の平均気温が表示され、現在どの制御が行われているのかがわかる。 機器状態画面は、HPのタイプ(暖房/冷房/送風タイプまたは運転/冷暖/送風タイプ)ごとに、機器の運転状態が表示される。またこの画面において各機器の自動・手動の切替えおよび手動運転が可能。 制御設定は5つの画面で行う。 暖房設定画面では、6つの時間帯の設定およびそれぞれの時間帯における設定気温の入力を行う。また、平均気温制御の種類(日平均/夜平均)とその設定値の入力も行う。それぞれの制御を行うかどうかの指定も行う。 夜間冷房設定画面では、2つの時間帯の開始/収量時刻とそれぞれの設定値を入力する。この制御を行うかどうかの指定もこの画面で行う。 昼間冷房設定画面では、1つの時間帯と設定気温・停止気温を設定する。この制御を行うかどうかの指定もこの画面で行う。 ヒートポンプ設定画面では、最大2系統のHPのタイプ、不感帯、出力レベル数の設定を行う。また、HP制御から補助暖房機の制御に移行する際の判定時間も入力する。 補助暖房機設定画面では、不感帯とHP制御に移行する際の判定時間を入力する。 グラフ表示画面にて、測定値および設定値の確認が可能である。 画面切り替え直後のグラフ上には、12時間分のデータが表示され、10日前まで遡って表示することができる。同じデータがUSBメモリに保存(保存データ数はUSBメモリのサイズに依存)されているので、パソコンに転送することで種々のデータ処理が可能である。(サポート外) ---------- 仕様 ここまで ----------- 特長 DM-HPは、(たぶん)世界で初めての異なる入力信号を受け入れるヒートポンプを組み合わせて制御するHPコントローラです。1台目をネポン、2台目をダイキン、というような組み合わせでも統合して制御を行います。 補助暖房機(通常は石油焚き温風暖房機)と組み合わせれば最も効率的な運転をするようにハイブリッド運転を行います。もちろんヒートポンプのみでの暖房制御にも利用できます。それに加えて温風暖房機のみの制御にも利用可能です。 設定気温は、6つの時間帯に割り当てますが、各時間帯は連続している必要はありません。たとえば、時間帯1が2:00~5:00、時間帯2が8:00~10:00という設定が可能で、5:00~8:00は、時間帯1の設定値から時間帯2の設定値に向けて徐々に自動的に設定値が変更されます。この機能により、設定温度の急激な変化がなくなり、安定した気温制御が可能になります。 DM-HPは、夏季の夜間冷房だけでなく、冬季の昼間冷房にも対応した初のHPコントローラです。冬季は昼間でもHPで冷房をすることにより換気窓を閉めておくことが可能な時間帯があります。この間にCO2制御を行うことで光合成を促進し、収量の増加を図ることができます。 作物の成長や果実の成熟の指標として積算気温を利用することが多くなりました。DM-HPは、積算気温の元となる、日平均気温の制御を行うことができます。また、夜間の平均気温の制御も可能です。 キャンペーン DM-HPは開発が終わったばかりで、まだ販売しておりません。現在、以下の条件にあうモニタ利用者を捜しています。 ・ヒートポンプ2台以上が設置されている温室がある。 ・補助暖房機がある。 ・HPの運転は、本体とは別の制御器で制御されていない。 ・東海、関東南部に所在している。 モニタ利用者には、1年間利用していただき、制御状況等に関する意見を伺います。その後、ご購入(通常価格の半額)いただき継続して利用することも可能です。ただし、DM-HPとヒートポンプ、補助暖房機を接続する配線工事は、利用者にて業者に依頼してください。接続に必要な資料は提供します。 なお、DM-HPの価格は35万円程度(税抜き)を予定しています。 ご意見、質問等あれば、連絡フォームよりお願いします。 |